地域資源を知的資産経営に活用する

 地域資源には、地域が持つ特有の地形・風土から産み出された“風光明媚な景観“や“自然の恵み・産物”及び伝統文化から創り上げられた“デザイン・技能”や“おもてなしの作法”がある。知的資産経営とは、カタチに表れない〜見えない固有の資産を蓄積し、有効に組み合わせ、収益を上げていくことを云う。「地の利を活かした資源の活用は、知的資産経営の重要課題」と考える。地域資源の活用により産まれる事業経営の有効性を提示する。

“風光明媚な景観”は、その特性を活かすことにより、従業員にとっての心地良い働きやすい職場づくりとなり、お客様に対しては魅力的な店舗づくりとなる。地域の恩恵を受けた立地環境を得ることができる。所有するモノ=設備の価値を高める。

  “自然の恵み”は、地域で直接仕入れることにより地産地消の恩恵を受ける。旬な自然の産物が手短に確保できる。伝統文化から生まれた“デザイン・技能”は、工芸品として唯一無二の希少価値を齎す。“おもてなしの作法”は、独自に提供するサービスプログラムの特徴づくりとなる。どちらも仕入れルートの確保となり、提供する商品・サービスの価値を高める。

 そして、地域資源を共有することによる事業連携が進む。地域を愛する人とのネットワークが広がり、知的資産づくりの中核となる事業推進のパートナーシップづくりが進む効果が期待される。人的資産の増強となる。地域資源が持つ魅力を謳い、地域活性化に寄与することとなり、その事業者の地域での評価が高まる。共有するテーマを掲げることにより同志が増え、事業連携が進む。地域のブランド力を高め、育てるストーリーづくりに参加する。地域ブランドが持つ価値を共有することができる。地域を愛する〜支える人々との強固な絆が出来上がる。そして、貴方の事業を愛していただくファンづくりへと進展する。情報資源の増強となり、情報の受発進力を高める。

 地域活性化に寄与することとなり、地域に貢献する事業を進めるという大義が立ち、行政の資金補填や地元信金の支援が得やすくなる。また、クラゥドファンディングを運用した地域応援ファンドが産まれることも期待される。資金増強支援の機会が広がる。

 事業運営者にとって、地域資源の有効性が期待できる要素は、①立地環境を活かした場づくり②地産地消の仕入れルートづくり③唯一無二の商品価値づくり④特有の文化を継承したサービスメニューづくり⑤資金支援を得る機会の確保⑥商品・サービスのブランド価値づくりと考える。事業経営において、人・モノ・カネ・情報…等、経営資源の増強になるのではと思う。いかがでしょうか?

 

投稿者 | 堀内 仁